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Oh my 人生 (Oh my life)

小森悠矢の生活と人生ともろもろ。Life, daily experience and everything of Yuya Komori.

タレルと利休

金沢にはまりました。

 

 

なかでも、私の心を鷲づかみにしたのは、21世紀美術館の「タレルの部屋」という作品。

これを見ただけでも、金沢に来た価値がある、と思えるものでした。

 

 

21世紀美術館は建築ユニットSANNAが手がけた

バームクーヘン型の建物です。

 

その奥の方に「タレルの部屋」があるのです。

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入って見ると、何もない四角い空間。

屋根はなく、見上げればその日の空模様が顔を覗かせます。

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ただ、それだけなのに、

 

 

でも、それだけじゃない。

 

 

だんだんと見えてくるんです。

 

 

 

  あ、キャンバスだ。

 

    建物の縁が空を四角く切り取っています。

 

 

  あ、絵だ。

 

    キャンバスに空が描かれています。

 

 

  あ、動いた。

 

    雲が流れています。

 

 

  いつもある空なのに、初めて見た気がする。

 

    キャンバスのせいかも知れません。

 

 

  空の絵は、無限に表情を変える。

 

    ほんのちょっとしか見えないのに、空の全部が見える気がします。

 

 

  何もないこの空間に、すべてがある。

 

 

  タレルの部屋は、無限への入り口。

 

 

 

 

私はタレルの部屋の制作背景や意図を

知っているわけではありませんので、

まったく見当違いな見方をしているかもしれません。

 

でも、一即多、多即一という禅の境地にも通じる思想が

ここにあるんじゃないかと、やはり思えるのです。

 

 

ふと、利休と朝顔の話を思い出しました。

 

 

千利休は中国から朝顔を仕入れて、庭に植えていました。

ちょうどその朝顔が咲き乱れた頃、

珍しい物好きの豊臣秀吉が、朝顔をぜひ見せてくれと声をかけてきました。

 

利休はどうぞいらして下さいと答えたものの、

庭の朝顔をすべて切り落として、たった1輪だけを器に活けて

秀吉を迎えました。

 

 

利休の感性に秀吉がいっぱい食わされた逸話として知られています。

 

 

白状すると、この話を聞いた時は

利休の意図も、話の面白さもさっぱり分かりませんでした。

 

 

でも、今はわかる気がします。

タレルの部屋の限られたキャンバスが無限の空を表現し得たように、

1輪の朝顔が、朝顔の美しさを余すことなく伝えていたんだと思います。

 

 

有限が無限を表現する。

 

 

タレルの部屋、すごいよ。

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